マカオ政府財政局が2024年11月22日に発表した財政収支資料によると、2024年1-10月期のカジノ税収が約1.4兆円(730億4433万パタカ)を記録し、前年同期比で41.7%増を達成。政府の年度予算執行率も87.4%に達している。
歳入全体の8割超をカジノ税が占める好調な財政状況
2024年1~10月期の歳入総額は894億2812.4万パタカ(約1兆7267億円)で、前年同期比17.1%増を記録。このうち、経常性収入は889億8872.0万パタカ(約1兆7182億円)で34.9%増となった。
特筆すべきは、カジノ税収が歳入全体の81.7%を占める730億4433.0万パタカ(約1兆4104億円)に達したことだ。歳出は756億5177.0万パタカ(約1兆4607億円)で、前年同期比10.5%増、予算執行率は74.0%となっている。
財政収支は137億7635.4万パタカ(約2660億円)の黒字を達成し、前年同期比で74.8%増加。これは、2020年から2022年のコロナ禍期間、そして2023年のアフターコロナ初年度において、財政準備資産からの補填が必要だった状況から大きく改善している。
2025年度に向けてさらなる成長を見込む
2024年度の年間カジノ売上目標は2160億パタカ(約4兆1706億円)で、月平均180億パタカ(約3376億円)に設定されている。1~10月期の実績は既に1901.42億パタカ(約3兆6714億円)に達し、前年同期の実績を上回っている。2019年の同時期と比較すると77.1%の回復率となっており、コロナ前の水準への回復も着実に進んでいる。
マカオ政府は、この好調な実績を踏まえ、2025年度の財政予算案では年間カジノ売上目標を2400億パタカ(約4兆6340億円)に引き上げることを計画。月平均目標も200億パタカ(約3862億円)と、より高い目標を掲げている。これは、マカオの観光・カジノ産業が本格的な回復軌道に乗ったとの政府の強い確信を示すものといえる。
今後は、年末に向けてコロナ前水準への回復がどこまで進むか、そして新たな成長目標の達成に向けた取り組みが注目される。
【参照記事】
マカオ、2024年1〜10月累計のカジノ税収は約1.4兆円…前年同時期から4割増、年度予算進捗率は87.4%に-マカオ新聞-