ＷＳＯＰ（World Series of Poker）とは、ポーカーの世界大会であり、世界中のポーカープレイヤーがイベントに参加すること、勝利の証として贈られるブレスレットを巻くこと、そして巨額な賞金を手に入れることに憧れている。
間違いなくポーカー界における世界で最も権威のあるトップイベントだ。
ポーカーにはルールが異なった複数のゲームが存在するが、世界中で最も親しまれているのが ｢テキサス・ホールデム（Texas hold ‘em ）｣といったポーカーゲームで、日本のアミューズメントポーカー店舗で提供されるゲームも、基本はテキサス・ホールデムとなっている。
ＷＳＯＰのメインイベントでは、このテキサス・ホールデムを採用したトーナメントが行われ、参加費として1万ドル（約114万円)を支払うことによって、21歳以上であれば誰でも参加できる。
2021年、ＷＳＯＰのメインイベントにはコロナ禍に関わらず6,650人が参加、優勝したドイツ人のコライ・アルデミールが獲得した賞金は800万ドル（約９億円)となった。
ＷＳＯＰの過去最高賞 金 額は、 2006年にジェイミー・ゴールドが獲得した1,200万ドル（約14億円）。賞金は参加人数に応じて決まるので、参加者が多いほど高額となっていく。
ＷＳＯＰの開催期間は約２カ月。この開催期間中は、「テキサス・ホールデム」を使うメインイベントの他も、「オマハ・ハイロー」など複数のゲームを起用した90種類前後のサイドイベントが開催されている。参加費が500ドル程度のイベントから、10万ドルという高額イベントまで、幅広く用意されることで、多くの参加者たちを集めている。
ＷＳＯＰの起源は、1970年まで遡る。ラスベガスのダウンタウンにある、カジノホテル「ビニオンズ・ホースシュー」のオーナー、ベニー・ビニオンは、7人のポーカープレイヤーを招待して、時間を区切る形でポーカーを競い合ってもらうイベントを考案した。プロと呼ばれていたポーカープレイヤーを自らが経営するカジノに集めただけだが、このイベントに「World Series of Poker」と名付けたことは、素晴らしいセンスだった。
身内の集まり的な第1回大会を終えると、周囲の提案によって、参加するプレイヤーは同量のチップ量でスタートすること、ゲームの途中で強制参加費を上げていくこと（いわゆるブラインド）など、新しいルールが採用され、トーナメント方式という新たなポーカーの楽しみ方を誕生させた。これぞ世紀の大発明！
翌年1971年に開催された第2回大会から、トーナメント制のポーカー大会である現在と同じ形式で大会が開催されるようになり、その後も時間を掛けて細かな進化を続けていった。
創業者であるベニー・ビニオンは、後に殺人などの容疑で捕まり、その訴訟費用を補うため、2004年にＷＳＯＰの権利をハラーズエンターテインメント（現在のシーザーズエンターテインメント）に売却する。ベビー・ビニオンが移り住んだ1940年代のラスベガスは、砂漠の町に夢を見て、荒くれ者たちが集まっていた時代なので、現在とは時代背景が全く異なっていたといえる。 2003年、オンラインポーカーで行われた86ドルの予選トーナメントから勝ち上がり、ＷＳＯＰのメインイベントで優勝を掴んだのが、アメリカのアマチュアプレイヤーのクリス・マネーメーカー！
この年からESPNというスポーツ系のメジャーテレビ局が放送権利を獲得してＷＳＯＰを放送、優勝賞金として250万ドルを手に入れ、億万長者となった当時27歳のアメリカンドリームは、多くの視聴者を魅了して、ここにポーカー ブームが巻き起こる。
