日系の最強カジノIR「パラダイスシティ」は最上級リゾート施設!
——まず、「パラダイスシティ」が開業して2024年4月で8年目に突入しますが、この7年間を振り返って感想をお聞かせください。
青山 もともとは何もない埋立地、本当に野原だった場所に、「北東アジア初の統合型リゾート(IR)」という構想の下、第一期として2017年4月にホテルとカジノがオープンしました。第二期として、2018年9月にショッピングアーケードやラグジュアリースパといった施設をオープン。順調に右肩上がりで成長していましたが、新型コロナの世界的流行を受けて状況が大きく変化して、経営や運営を見直す状態になりました。外国人専用カジノなので、外国人が入国できないコロナ禍は大変でしたが、なんとか乗り切ることができ、最近は順調に客足も伸びています。
——セガサミーさんがカジノ業界に進出すると伺って、自分は開業前の何もない仁川を見に行きました。本当に周辺は何もなかったです。フジテレビが移る前のお台場のようでした。
青山 まさに、そんな感じでしたよね。私が韓国に来たのは2014年の5月で、約500坪のグランドハイアットのカジノを使ってパラダイスシティの開業準備をスタートしたんですが、仰る通り本当に何もありませんでした。それがパラダイスシティが開業、続いて第二期の施設やゴルフ場開発が進んで、最近は同じ仁川地域に「インスパイア」も開業、地域(永宗島)が賑やかになりました。もともと仁川空港は、ソウルへ行くための玄関口として活用されていましたが、仁川が目的地となってくれたら嬉しいです。
——同じ地域に誕生したインスパイアはどのような存在になりますか?
青山 もちろん、競合相手になるのですが、どちらかと言えばクラスターというか集積効果を期待してまして、「カジノといえばラスベガス」といった一昔前の考えを持った日本の方に、韓国の仁川は立派なIRが2ヶ所もあると広まって、興味を持ってもらえたら良いですね。
——勝手なことを言わせて頂くと、パラダイスシティとインスパイアが良い意味で切磋琢磨して、盛り上がることに期待しています。
青山 実はインスパイアの経営陣ともコミュニケーションは重ねていて、良い意味で競争していきたいと考えいます。
——それは楽しみです。実際に7年ほどカジノIRを手掛けられて、この事業にどのような印象を受けていますか?
青山 元々韓国のカジノは単独施設で、どちらかというと鉄火場的なイメージを持たれている方も多かったのですが、パラダイスシティのオープンによって、IRというのはカジノだけではなく、様々なエンタテインメントを含めたものというイメージを広げられたと思います。カジノを目的とする以外のお客様もたくさん来場されるようになってきました。カジノVIPの方の中には、普段は友人といらっしゃいますが、家族サービスの場としても利用される方も増えています。
——韓国でカジノ運営に携わり、日本や中国で経験したことがない、特異な部分はありますか?
青山 一番の大きな違いは、外国人専用カジノ施設であるというところです。
また、カジノというビジネスは、純粋に客数×客単価で商売が成り立つわけではなく、とても忙しく働いたのに売上がマイナスということもあるんです。これまで日本や中国で集客ビジネスに関わってきましたが、忙しいのに結果がマイナスということはなかったので驚きました。やっぱり、集客においてVIPと一般層のバランスを上手く取らないとならないとといった観点からすれば、カジノは通常のビジネスとは圧倒的に違います。