日本向けプロモーションは積極的に展開していく
——最初に「モヒガン・インスパイア・エンターテインメント・リゾート」（通称「インスパイア」）の会社組織について教えてください。MichalJensen（以後、MJと記す）弊社は、アメリカの先住民族であるモヒガン族が経営するリゾート総合開発企業企業「モヒガン」が全額を出資する法人です。1994年にアメリカ合衆国連邦議会がモヒガン族による居留地の指定を許可したので、モヒガン族は部族の福祉と経済発展を目的に同地域でカジノ事業を行うことを計画しました。
1996年にコネチカット州アンカスビルに「モヒガン・サン・カジノ」を開業、以降も複数ののリゾートとカジノ施設を手掛け、今回は８番目の施設として、インスパイアを韓国で手掛けます。
——米国以外の国にも展開しているのでしょうか？
MJ これまで米国以外ではカナダのみ進出しています。海外展開に関しては、インスパイアを国際ブランドとして位置付けて、様々な国への進出を検討してきました。実際、2020年にはギリシャのアテネでIRライセンスを取得していますし、2021年には日本の長崎県・佐世保でIRライセンスの取得を計画しました。どちらも諸事情によって撤退を余儀なくされましたが、その分を韓国進出に注力できたと考えています。
——それぞれ理由は異なるも、ギリシャや日本からの撤退を決めた御社が、なぜ韓国でIR事業を推し進める決断に至ったのでしょうか？
MJ 北東アジアは、日本や中国、韓国など、非常に大きなマーケットを抱えている地域でありながらも、大規模なIR＝統合リゾートが不足しています。
こういった背景の中、この地域の飛躍的な発展を目指す韓国政府や仁川広域市とアジア進出を考えていたモヒガンの思惑がうまく一致したのが大きな要因だと考えます。それに加え、アジアの主要空港の一つである仁川国際空港に隣接しているという立地条件が非常に魅力的でした。
——確かに東京や大阪をはじめ、台湾、北京、上海、香港など、周辺の主要都市から飛行機で気軽に移動できる距離というのは魅力ですよね。
MJ そうですね。インスパイアでは、渡航距離として３時間圏内にいるゲストをメインターゲットと捉えています。その中でも日本は重要なマーケットだと考えていて、東京から約２時間、大阪からも約２時間という距離感は非常に理想的だと思います。
——韓国では、19年ぶりに外国人専用カジノの許可が出たことが話題になっていましたが、韓国人ゲストはどのように想定しているのでしょう？
MJ 先立って本年２月にプレオープンしたインスパイアのカジノ施設に関しては、韓国在住の外国人はもちろん、韓国以外の国籍を持つ韓国人もたくさん存在するので、国内ではそのような人たちをターゲットに考えています。
そして、インスパイアは統合型リゾート施設という位置付けなので、カジノ以外を目的とする韓国人ゲストも多く見込んでいます。
とくに１万5,000人を収容できる屋内多目的会場「インスパイアアリーナ」は、このリゾートの目玉といえる存在です。韓国初の多目的パフォーマンスホールとして、様々なエンタテインメントイベントを容易に開催できるように設計されていて、世界最新鋭のサウンドシステムも備えています。
コンサートはもちろん、eスポーツ大会やバスケットボールなどスポーツの試合会場としても対応が可能です。
実際のところMMA興行（総合格闘技）との話し合いも進んでいます。格闘技の興行も開催できれば嬉しいですね。
——韓国では、コンサートに向いている大規模な会場が少なかったので、かなり注目度は高そうですね？
MJ そうですね。実際に昨年末には、アイドルグループ「SHINee」のテミンによるソロコンサートや、
