LAのカジノはポーカーが“主役”
ロサンゼルス国際空港からUberで約40分。ロス郊外に構える「コマースカジノ」にやってきた。メジャートーナメントシリーズ「LAPC(ロサンゼルス・ポーカー・クラシック)」の開催会場として知られるカジノだが、目の前で行われていたのはすべてキャッシュゲームである。レートは1-2ドルから20-40ドルといった高レートまで。ゲームの種類も、テキサスホールデムのほか、ポットリミットオマハ、スタッドポーカー、リミットホールデムなど豊富に揃う。コマースは、24時間さまざまなニーズに合わせてポーカーに没頭できる、世界最大のポーカールームなのだ。なぜ他地域のカジノに比べて、ポーカーが充実しているのか。そのワケをロス在住ポーカープレイヤーの幸晋平氏が教えてくれた。
「カリフォルニア州は、カジノを胴元とするゲームが禁止です。だから、客同士で賭けるポーカーがカジノの主役なんです」
確かに、いくらカジノフロアを歩き回ってもスロットマシーンはまったく見当たらない。だが、ポーカーフロアほどの広さではないが、ブラックジャックやバカラのテーブルは、20〜30ほどあった。
「それらのテーブルでも、ディーラーはただカードを配る役割を負っているだけです。客席の端に、胴元を引き受ける業者が客として座っている。その業者が他の客と勝負するという仕組みになっているのです。日本で、パチンコ屋が『三店方式』で営業しているようなカラクリですね。そういう事情もあってペイアウト率が他地域のカジノに比べて悪いため、ロスではポーカー以外のテーブルゲームはあまり人気がありません」(幸さん)
ロス独特の事情が、ポーカーに特化したカジノを形成したのである。
ウェイティング時間も短く快適
では早速、ポーカーをプレイしてみよう。従業員に声をかけたが、「カジノのプレイヤーズカードを作らなければプレイできないよ」と言われた。ポーカーフロア内に二箇所設置された端末にカードを差し込み、自らウェイティングリストに登録する仕組みになっている。
だが、いざカードを作り端末を覗いてみても、「4–8」、「300–500」、「500–1500」などという見たことがない表記で、どれがどのレートを指すかわからない。困惑していると、脇に立っていた若者が親切に教えてくれた。
「ロスでは、ブラインド額ではなくバイイン額でレートを分けているんだよ。『4–8』が分かりにくいんだが、ミニマムバイインが40ドルでマックスバイインが80ドルという意味で、ブラインドは1-2ドルの一番低いレート。300–500は、300ドルから500ドルまでバイインできるレートで、ブラインドは5−5ドルだよ」
5-5を選択すると、すぐにウェイティング画面に自分の名前が掲示された。順番は8番目。だが、10分もしないうちに新しいテーブルがオープンした。三日間滞在してわかったが、ここはテーブル数だけでなくディーラーの数も多い。スクラップ&ビルドがスムーズで、ウェイティング時間が少ないのもコマースの魅力なのだ。
プレイヤーのレベルは?
プレイして気づいたのは、プロっぽいプレイヤーが少ないこと。日本人が近所のパチンコ屋に行くような感覚で、小遣いを握りしめて勝負している現地人が多い。