テキサス・ホールデムは不完全情報ゲーム!
簡単に、テキサス・ホールデムのルールを説明しておきましょう。このゲームは、52枚のトランプとチップのみで遊ぶ「不完全情報ゲーム」です。不完全情報というのは、見えない要素という意味で、チェスや将棋のように全てが開示されているゲームとは違って、テキサス・ホールデムは、相手のカードや共有カードという開示されない要素がある状態でゲームが進行しきます。
限られた情報の中から、適切で合理的な判断を要求されるので、心理的側面が強く影響してくるゲームです。
ゲームがはじまると、各プレーヤーに2枚ずつカードが配られます。その後、全員が共有する共通カードを順番に開きながゲームが進行していきます。最終的に共通カードは5枚開かれ、自ら持っている2枚のカードとあわせて、合計7枚のカードから5枚を使い、最も強い役を作ることによって勝負します。
5枚の共通カードが開かれていく過程で、3回チップを賭ける機会があって、最後に5枚目のカードが開かれた後も1回チップを賭ける機会があるので、合計4回チップを賭けて勝負する機会があります。
各自にカードが2枚配られた後、3枚目の共通カードが開かれた後、4枚目の共通カードが開かれた後、5枚目の共通カードが開かれた後、それぞれの機会にチップを賭けて他のプレイヤーと勝負することになります。
毎回、参加者たちの賭けるチップ量が揃うことによってゲームは次のターンに進み、途中で撤退せずにゲームを続けていくと、最終的に残った面々のカードを見せることで、役の強弱を判断して勝敗が決まります。常に相手がどのような行動を選択しているかを観察し、相手のカードを予測する必要があるゲームです。
賭けているチップ量、視線や呼吸、思考する時間など、様々な情報を総合して、自分の勝利を見極めます。決して運任せではなく、自分と相手のポジション(プレイする順番)、お互いが持っているチップ量、自分や相手の参加率まで見極めて、自分の行動を選択することが勝利に繋がるわけです。
限りある情報から、利用できる情報を厳選し、勝利するための戦略を組み立てるので、運だけに頼っているとトータルでは勝てないはずです。その根底に必ず数学的な論理が必要となっていきます。逆に数学的な論理だけに頼っていても、超えれない壁が存在します。
つまり、これは人生そのものであって、カード(家庭環境や経験)を活用して、最も期待値が高くなる選択を行うことで良い結果を獲得できるのです。最初に配られるカード(家庭環境や経験)は、運に左右されるけど、これを良い結果に導くか、悪い結果に導くかは本人次第なのです。人生で成功するスキルは、ポーカーで必要とされるスキルに凝縮されているので、人生を成功させる秘訣はポーカーにあったのです。
勝負に際しては、運の要素もあるので、その運を最大限に活かすための判断が必要ということも人生と似てます。ポーカーはスキル7割、運3割といわれます。運に左右されて、短期的に負けることはあるけど、実力さえあれば長期的に負けることはないです。もちろん、自分を過信して、失敗してしまうプレイヤーもいるけど、そこも人生も同じ。落とし穴は常にあります。確率を計算しながら、情報を収集し、的確な判断を行う思考能力は、投資やビジネスの世界でも活きます。
経営者や投資家にテキサス・ホールデムが好きという人が多いのは、こんなところに理由があるんです。
文字でズラズラと説明されても、全く頭に入ってこないという方も多いと思うので(僕も最初は理解に苦しんだ)、本誌では漫画で表現する方法も採用しました。テキサス・ホールデムの簡単なルールに関しては、P22から「ポーカーの基礎知識」を掲載してあるので、そちらもご覧ください。
もっとポーカーを強くなる方法
簡単に強くなる方法があるなら、誰もが強くなってしまうので意味はないけど、基本を伝えるとするなら、最低限スターティングハンドのレンジ程度は大まかで良いので頭の中に入れておいた方が良いと思う。
「九九を知らない数学者がいないのと同じで、何でもいいから基礎的なことは勉強した方がいい…」とは、竹田君に取材した際に聞いた話。確かにその通りだと思う。彼からは、最低限の知識を入れた後は大量に動画を見ることも推奨された。海外のポーカールーム へ飛んで、とにかくプレイを重ね、経験を積むことがスキルアップに繋がると思うけど、そんなの膨大な時間と費用が必要になる。そこで、それを時短する方法としてポーカー関連の動画を見ることが有効というのは理にかなっている。